高エネルギー放射線検出センサーのリーディングプロバイダーであるバラディスは、JAXA(宇宙航空研究開発機構)が2024年に打ち上げるDESTINY+ミッションに搭載される吸収電離放射線の測定に、同社のVT06放射線検出センサーが使用されることを発表した。このミッションは小惑星ファエトンを探査し、宇宙塵の科学的観測を行うというものです。
バラディスRADFETデバイスは、日本飛行機株式会社(www.nippi.co.jp)で開発中の次世代線量計に搭載されます。この線量計は、最新鋭のIMM3J宇宙太陽電池の放射線劣化の解析だけでなく、宇宙船のトラブルの原因究明や宇宙放射線環境に関する知見の獲得にも貢献します。
JAXAが採用したバラディスVT06 RADFETは、JAXAが必須条件として求めたNASA EEE-INST-002 S1 Level 3 (https://nepp.nasa.gov/npsl/npsl_UsePolicy.htm)で定義されているNASA Level 3 審査プロセスに合格していることが証明されています。
DESTINY+プロジェクトチームの豊田裕之助教は、「JAXA宇宙科学研究所では、限られた時間と予算の中で、DESTINY+ミッションの全期間を通じて正確な放射線測定を実現する線量計の設計を行う必要がありました。」と述べ、さらに「可能性のある選択肢を調査したところ、バラディス VT06 RADFETが線量計の中核に使用する理想的なソリューションであることがわかりました。それにより私たちのチームは、非常に短期間で線量計を製造することができました。」と述べています。
バラディスRADFETは、電離放射線の吸収線量(最大10kGy/1Mrad)を電力なしで正確に測定できるため、現在バラディス放射線検出センサーは、国際宇宙ステーションや多数の政府機関の衛星に搭載されています。
バラディス放射線検出センサーは物理学、宇宙通信や宇宙探査での使用に加え、研究、医療、セキュリティ、公共安全などの用途で使用されています。
バラディスのCEOであるブラッド・リグリー氏は、次のように述べています。「宇宙航空研究開発機構の宇宙探査プログラムに協力できることを、改めて光栄に思います。小惑星ファエトンを探査するミッションは、この種のものとしては初めてのものです。バラディスの社員一同、Destiny+とふたご座流星群のフライバイをサポートすることを楽しみにしています。」