月面に着陸するバラディス放射線検出センサー
高エネルギー放射線検出センサーのリーディング・プロバイダーであるバラディスは、台湾の国立中央大学宇宙物理工学センター(Center for Astronautical Physics and Engineering, National Central University)の深宇宙放射線プローブ(Deep Space Radiation Probe: DSRP)による電離放射線の測定に、当社の放射線検出センサーが採用されたことを発表します。DSRPプローブは、2024年に月着陸船に搭載されて月へ打ち上げられる予定です。
このミッションの探査機のために、台湾の国立中央大学宇宙物理工学センターは、100krad/1kGyの放射線量を検出できるRM-VT01-A読み出しモジュールに搭載されたバラディスRADFET(放射線検出電界効果トランジスタ)VT01を採用しました。放射線感度用に最適化されたディスクリートpチャンネルMOSFETであるRADFETは、ガンマ線、X線、陽子線などの電離放射線を高感度で検出します。
宇宙空間の電離放射線環境は、宇宙船の電子機器が劣化する影響と生物への健康影響の両方から、宇宙飛行において対処しなければならない課題です。電離放射線レベルは、地球低軌道を超えた深宇宙領域では特に深刻であるため、放射線量と線量率を測定し、同時にフラッシュメモリの放射線によるビットエラーをカウントすることが極めて重要です。
バラディスRADFETは、電離放射線の吸収線量(最大10kGy/1Mrad)を電力を必要とせずに正確に測定できるため、バラディス放射線検出センサーは、以下のような国際宇宙機関の宇宙探査ミッション用に設計されています :
- NASA(アメリカ航空宇宙局)
Varadis RADFETは国際宇宙ステーションとアルテミス月ミッションのオリオン・クルー・モジュールで放射線量を測定しています。 - ESA(欧州宇宙機関)
VaradisはESA衛星用のプラグアンドプレイ放射線検出モジュールを設計・製造しています。 - JAXA (宇宙航空研究開発機構)
バラディスRADFETは、JAXAのミッション検出試験衛星1号(MDS-1)および小型実証衛星(SDS-1)の放射線センサーとして採用されました。
バラディス放射線検出センサーは物理学、宇宙通信や宇宙探査での使用に加え、研究、医療、セキュリティ、公共安全などの用途で使用されています。
バラディスのCEOであるブラッド・リグリー氏は、次のように述べています。「この重要な月探査ミッションにおいて、宇宙物理工学センターをサポートする機会を得たことを大変喜ばしく、光栄に思います。バラディスの放射線検出センサーとモジュールは、宇宙探査からがんの放射線治療まで、放射線測定において世界的なリーディング・テクノロジーとみなされています。このような多様な市場にサービスを提供できるのは、バラディスの研究開発チームの素晴らしい努力の賜物です。」